大好きな秋。
私は暑さがハッキリしている夏や、寒さががっつりくる冬よりも、ふわふわしている春やじんわり冬を感じる秋が好き。
だけど、今年の秋はつらい。
そこへきてこの天気。
梅雨はなかったのに、この秋になって長雨。
どんより。
さらに体にダイレクトにくる寒さ。
メンタル落ち込みまくりだ。
妹の肉体と別れて今月でやっと半年になる。
夢中で過ごした半年。
秋の長雨と相まって、ひたりひたりと実感が心をしめつけている。
分かってる、分かっているのに分かっていない。
そんなことの繰り返しだ。
喋る気にもなれないくらい、心は沈んでいる。
二十代前半、毎晩のように死について考えて泣いた日々も秋だった。
家族や大好きな人たちと別れるのが嫌だった私は、死を選ぶことはなかった。
その代わり、書き置きをして真夜中に家を飛び出した。
たくさんの覚悟を胸に秘めてのことだった。
あれから数年、家を飛び出した日の前後は心がざわついて涙が溢れたっけ。
あの時ある人に、
『あなたの今の決断は、人生を一冊の本にしたら1ページにも満たないんだよ。一行かもしれない。』と言われた。
さすがに一行ってことはなさそうだけど、時を経て確かに1ページに満たないかもしれないね、と思うのだ。
当時の私は生きるか死ぬかで本気で悩んだのだけれど、今では良い経験として心に残っている。
妹への想いは、たくさんの月日を重ねると一体どうなっていくのだろう。
寂しさがなくなることは、ないだろう。
だけど、と思う。
今年は梅雨がなくて良かった。
自分を見失うほど悲しみにくれていた六月が、いつまでもじとじとしていなくて良かった。
夏らしくない天気だったけれど、猛暑続きで体が疲弊することを避けられて良かった。
今はただ、ゆっくりしよう。
そういえば、指を怪我したのもそのサインだったのかもしれない。
ここで頑張らず少しボーッとして、たくさん涙を流すと良いよっていうサインだったのかもしれない。
ゆっくりしよう。